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行者ニンニク
 行者ニンニク。奥には春の野花も。

キャベツ
 キャベツの花もキレイだね。

葡萄
 秋はワイナリーも綺麗な季節

雪を掘る人たち
 貯蔵した野菜を探す。気分は「とったどー」

食の宝庫 北海道の春夏秋冬


北海道は自然の恵みでいっぱい!!
食べ物にスポットを当てて、駆け足で1年を旅してみよう。


厳しい冬が終わって、綺麗な雪どけ水が山から運ばれてくる頃、「待ってました〜!」と山菜のフキノトウが姿を現す。にが〜い味が苦手な人もいるけど、この苦さが春の陽気から来るのぼせを防いでくれる。そして、この頃人気なのは行者ニンニク。ニンニクのような香りと野草らしい力強い味が特徴的な春を代表する山菜。北海道では「アイヌネギやヒトピロ」とも呼ばれて、漬物や天ぷらとして食されてきた。この行者にんにくがスゴイのはそのスローな生育。タネを植え付けてから9ヶ月後に芽を出し、食べられるようになるまでなんと5年の年月がかかる。この長い長い成長の時間に、たっぷりと土の中から栄養を吸収しているんだから、精力がつくのも納得だ。


トマトやスイカなど水分の多い野菜や果物が出回るのが夏。こういう野菜が、厳しい太陽の暑さを払うようにカラダの熱をとってくれる。でも、オイシ〜と思うキモチは、動物や昆虫たちも同じ。スイカは、受粉してから大体35日で収穫するんだけど、明日・明後日に収穫しようと眠りについた翌朝、カラスはガバ〜っとスイカを食べ散らかしてしまう。上空から狙いを定めて、20日目でも30日目でも突っつくことはなく、美味しく熟して収穫するまでのほんの一晩を狙う。ん〜、なんでだろう。美味しくなったポイントがカラスにはわかるのかな、それともカラスが35まで数字が数えられるのかな。


さて、秋が来ると、冬の寒さに備えて脂肪の多い木の実や魚が採れるようになる。食欲の秋と言われるほど、この頃は食材が豊富。山でもキノコやヤマブドウなどがあちらこちらに。自然そのままの食材は味も栄養もたっぷり!だからといって夢中になって採りすぎにはご用心。野生動物とりわけヒグマも冬ごもりに備えて食物を一生懸命探しているからね。もう一つ命を紡ぐ秋を紹介。普段食べているキャベツは花が咲くって知っていた?普段見たり食べているキャベツは、種を付けて花を咲かせ次の世代に命を繋ぐ前に食べているもの。動物も野菜も魚も木も僕ら人間も、次の世代に命を繋ぐために生きている。そう考えると、スーパーに並んだキャベツもちょっと違う感謝の目線になるかも。


冬になると北海道は気温が低くなって、地面が雪でおおわれるから作物の栽培はほぼできないんだ。昔は冷蔵庫が無かったし、スーパーもなかったから、食べ物の収穫が難しい冬は苦労の連続。でも、なんとか貯蔵しようと考えたのが、雪の中に野菜をしまう“天然の冷蔵庫”作戦。こうやると鮮度が保たれるし、野菜の甘味がグっと増えるから、あらフシギ。


さてさて、駆け足で北海道の四季を覗いてみたけど、自然に身を任せてみるとほんとに面白い。春はのぼせを防ぐために苦いものが出て、夏は暑さを払うように水分たっぷりの食材。秋は寒さに備えるように脂肪をつけて、冬は根菜で体を温める。しかも、山の恵みアリ、海川の恵みアリ、畑の恵みアリ。見渡す自然のいたるところから食べ物が生み出されていて、それが理にかなっているなんて、スッゴク豊か。


北海道の食べ物はオイシイ〜って言われているけど、それはなぜか!?それは食べ物一つ一つがきちんと本来の味がする味覚のオイシサだし、忘れかけている“食べ物=自然”ってこともわかる心のオイシサ。熊もエゾシカもリスもキツネもみんな自然の中で生活しているってことを忘れちゃいけない。もちろん、人間だって昔はもっと自然に近かった。けど、自然が教えてくれた、大事なことを沢山忘れちゃったのかな。食べ物ってなに?ってことから、もう一度思い出そうよ。

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